AIに教えるべき「自社情報」5カテゴリ整理術— 棚を分ければ、AIは正しく取り出せる

2026-05-15 公開

「会社案内も、料金表も、過去のブログも全部AIに入れた。それなのに、出てくる文章はやっぱりうちっぽくない」——AI学習データを使い始めて1か月くらいの経営者から、月に2〜3件は聞く声です。

困るのは、何が足りないのか自分でも分からなくなることです。「もっと情報を足せばいい」と量を増やしても、AIは混乱して的外れな箇所を引用するようになります。

本記事の問いは1つ。自社情報は、どの粒度で、どの棚に置けばAIから正しく取り出されるのか。PromnyAIのAI学習データ管理にある5カテゴリを「情報の棚」と捉えて、整理の手順を書きます。

なぜ「全部入れる」と裏目に出るのか

情報の量と精度は、ある時点で逆の関係になります。10件のうち的確なものが7件なら、AIは正しい7件を引いてくれます。50件のうち重複・古い情報・他人事の文章が混ざると、AIはどれを引けばいいか判断できず、平均的なものを返します。

よくあるパターンは次の3つです。

  • warning重複:会社案内PDFにも料金表PDFにも「料金は税別1万円〜」と書かれている。AIはどちらを優先するか迷う。
  • warning混在:1つのファイルに「料金」「スタッフ紹介」「キャンペーン」が同居している。質問のたびに関係ない箇所が引かれる。
  • warning古さ:去年のキャンペーン情報が消されないまま残り、今月の告知文に紛れ込む。

どれも「ファイルを置く棚を決めていない」から起きます。情報の引き出しに名札がない状態と同じです。

5カテゴリは「情報の棚」と考える

PromnyAIの学習データは「サービス/ブログ/コンセプト/メンバー/その他」の5カテゴリに分かれています。これを文房具屋の棚にたとえると整理が進みます。

  • sellサービス棚:何を売っているか。値札と仕様書。
  • articleブログ棚:これまで書いた文章のサンプル。文体の見本帳。
  • lightbulbコンセプト棚:なぜこの仕事をしているか。創業の理由と価値観。
  • groupsメンバー棚:誰がやっているか。プロフィールと得意分野。
  • more_horizその他棚:上の4つに収まらない情報の仮置き場。

同じ情報が複数の棚にまたがるなら、「主役の棚を1つ決めて、他には置かない」というルールが効きます。たとえば代表のプロフィールに料金が混ざっているなら、料金部分は「サービス棚」に移してメンバー棚からは外します。1つの情報は1つの棚に。これが事故を減らす一番のコツです。

棚1:サービス棚は「1サービス1枚」

最初に整えるのはここです。9割の生成で参照されるからです。サービスごとに1件のドキュメントを作り、次の5つだけ書きます。

  • check対象顧客(誰のためのサービスか)
  • check料金と所要時間
  • check解決できる悩み3つ
  • check他社と違うところ1つ
  • check初回限定の特典

「サービスA」「サービスB」と分けておけば、AIは質問に応じてどちらを参照するか判断できます。1枚の総合パンフレットに3サービスを詰め込むと、毎回全部を引いてきて文章が散らかります。

棚2:ブログ棚は「文体の見本帳」

この棚の役割は事実の保存ではありません。「うちの文章の温度はこのくらい」をAIに見せることです。だから入れるのは反応が良かった記事に限定します。

目安は、過去に書いた中で「これは自分でも納得した」と思える記事を5〜10本。それ以外は入れないほうが、AIは迷いません。たまに「とりあえず全記事を放り込みました」という運用を見かけますが、出来の悪い記事もそのまま文体として学習されるので、平均値が下がります。

棚3:コンセプト棚は「なぜ」を1枚に

ここは多くの会社で空になっています。「なぜこの仕事をしているか」「どんなお客様に届けたいか」「使わない言葉のリスト」を1枚にまとめます。

特に効くのは「使わない言葉のリスト」です。たとえば「絶対」「神」「最強」を避けたいなら、コンセプト棚にそう書いておきます。これだけでAIの常套句がぐっと減ります。ブログ記事の下書きを作るのような長文生成で違いが出やすい棚です。

棚4:メンバー棚は「顔が浮かぶ書き方で」

スタッフ紹介を経歴の箇条書きだけで入れている会社が多いですが、AIにとっては材料として薄いです。経歴に加えて、本人がよく言うセリフを1〜2行足してください。

「お客様の生活が一番、施術は二番、っていつもスタッフに言ってます」という代表の口癖が1行入っているだけで、AIが書く紹介文の温度が変わります。マネジメント書類より、本人の言葉が残ったメモのほうが価値があります。

棚5:その他棚は「仮置き場として正しく使う」

「その他」と聞くとゴミ箱のような響きですが、運用上の役割は逆です。分類に迷う情報をいったん置いておく仮置き場として使います。

FAQ、業界用語の解説、季節限定キャンペーン、外部メディアの掲載歴。どれも単独の棚を作るほどではないけれど、AIに知っておいてほしい情報です。月1回ここを開いて「もう要らないもの」を消すと、棚全体が軽くなります。

整理術の3つの落とし穴

「とりあえずまとめておく」を1回でも許す

「あとで分けよう」と思ってまとめて放り込んだファイルは、ほぼ二度と整理されません。最初に分けるか、入れない。中間はないと割り切るほうが運用が続きます。

タイトルが「資料1」「会社案内」になっている

PromnyAIの一覧でも、AIの参照精度でも、タイトルの具体性が物を言います。「サービスA:30代向け基本コース」「コンセプト:使わない言葉リスト」のように、開かなくても中身が分かる名前にしてください。

古いキャンペーン情報を消し忘れる

3か月以上前のキャンペーンが残っていると、いまの告知文に紛れます。月初に1回、その他棚を見直す日を決めておくのが安全です。先日、当社が運用支援している地方の整体院で、半年前の「春の初回キャンペーン」のチラシPDFが残っていたために秋のLINE配信文に春の文言が混ざる、ということがありました。15分の整理で消える事故です。

最初の30分で何をやるか

まだ整理していないなら、30分で次の3ステップだけ済ませます。

  • looks_one10分:サービス棚を1サービス1枚で作る。料金・対象・特典だけでOK。
  • looks_two10分:コンセプト棚に「なぜこの仕事をしているか」「使わない言葉」を3行書く。
  • looks_310分:過去のブログから「これは納得」を3記事だけブログ棚に貼る。

この30分のあと、コンテンツ生成で1つ記事を作ってみてください。整理する前と後で、出てくる文章の「うちっぽさ」が変わります。30分で30%、1時間で50%、棚を全部埋めれば80%、というのが現場での体感です。

まとめ

  • check情報は多いほど良いわけではない。重複・混在・古さで精度が落ちる。
  • check5カテゴリは「情報の棚」。1つの情報は1つの棚に置く。
  • checkサービス棚は1サービス1枚、ブログ棚は反応の良かったものだけ、コンセプト棚は「なぜ」と「使わない言葉」。
  • checkタイトルは中身が一行で分かる名前にし、月1回その他棚を見直す。
  • check最初の30分で、サービス1枚+コンセプト3行+ブログ3記事を入れる。

AIは賢いけれど、片付いていない机からは正しい資料を引けません。棚を5つに分けて名札をつけるだけで、生成される文章は今日から「自社の声」に近づきます。

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