ChatGPT や Claude に新しいモデルが追加されると、社内で切り替える人と切り替えない人に分かれます。すると翌週、同じテンプレから作った返信メールなのに、長さや箇条書きの有無が人によって違ってきます。
新しいモデルが出た日に、担当者まかせにせず、会社として切り替えをどう決めるか。それがこの記事の問いです。
この記事の結論
やることは、試す・比べる・決める、の3手順で、1週間で回せます。同じ指示文でも結果が変わることは、提供元が公式ドキュメントに書いています。だから、切り替えを止めるのではなく、変わる前提で手順にします。要る道具は、先週の依頼3本と表計算ソフトの1枚です。
一覧に新しい名前が増えた日、社内で起きること
PromnyAI の公式サイトには、2026年9月18日の時点で対応AIが全27種類と載っています。その一覧に、Claude Fable 5.1 が並んでいます。Anthropic が2026年9月1日に提供を始めたモデルです。一覧から切り替えて使えるので、使う側は名前を選ぶだけで新しいほうに移れます。
問題は、移るかどうかを誰も決めていないときに起きます。同じ共有テンプレから出た文章なのに、片方は箇条書きで、片方は地の文で一段落。読み比べた上司に「前と違う」と言われたとき、どちらがどのモデルで作ったかを誰も答えられません。
切り替えること自体は悪くありません。決めないまま切り替わることが、あとから説明できない文章を増やします。手順に入る前に、なぜ同じ指示文で結果が変わるのかを、提供元の言葉で押さえておきます。
同じ指示文で結果が変わるのは、提供元が明記している
「モデルが変わっても、指示文が同じなら同じような結果が出るはず」と思いたくなります。ここは提供元の側が、はっきり否定しています。Anthropic の公式ドキュメントには、Claude Fable 5.1 が前の Fable 5 と違う点が並んでいます。2026年9月18日の時点で、その違いは「指示文を変えなくても現れる」と書かれています。
読者の疑問
「同じモデル名なら、どのサービスで使っても同じ結果になりますか」
なりません。提供元の発表には、AIがどれだけ深く考えてから答えを作るかの設定が、製品ごとに既定で違うと書かれています。Claude Code では深く考える設定、Cowork と Claude.ai では中くらいの設定が既定です。名前が同じだから同じ結果、とは提供元自身が言っていません。この記事で比べるのは、同じサービスの中に並ぶ、今まで使っていたモデルと新しいモデルの差に絞ります。
では、指示文を変えなくても現れる違いとは何か。私たちが公式ドキュメントから拾った3点を、文章仕事の場面に置き換えると次のようになります。
| 公式ドキュメントに書かれた変化 | 文章仕事での見え方 |
|---|---|
| 場合によって文が長くなり、段落の区切りが少なくなる | 3段落だった返信メールが、1段落に固まって届く |
| 以前のモデルより太字・見出し・箇条書きを使う頻度が下がる | 手順の案内が箇条書きから地の文になり、見出しが消える |
| 資料を要約するとき、引用と明示せずに原文の一節を再現しやすい | 会議メモの要約に、元資料の文がそのまま混じる |
表の3つの変化はどれも、良い悪いの話ではなく「変わる」という話です。変わり方が分かっていれば、比べるときに見る場所も決まります。提供元は、前のモデルで設定の試験を済ませていても、新しいモデルで自社の評価をもう一度回すよう勧めています。小さな会社の「自社の評価」は、先週の依頼3本で足ります。
01 試す(1日目)
材料は新しく作らない。結果がもう手元にある依頼を使う
02 比べる(2〜3日目)
1本につき4行。良い悪いはまだ書かない
03 決める(週末まで)
全員が同じ日に移る。指示文を直すのはその後
手順1 試す — 先週の依頼3本を、条件をそろえて投げる
材料は、先週実際に使った依頼を3種類、1本ずつ選びます。お客様宛の返信メールの依頼文、ブログ下書きの指示、会議メモの要約。新しく作らず、結果がもう手元にあるものを使うのがこつです。今まで使っていたモデルの結果と、人がどこを直したかが残っているからです。
そろえる条件は3つです。同じ指示文(共有テンプレをそのまま)、同じ添付、同じ人が同じ日に投げること。PromnyAI では一覧から切り替えて使えます。2026年9月18日の時点で、一覧には Fable 5.1 の横に Opus 5・Sonnet 5・4.5 Haiku も並んでいます。今まで使っていたモデルと新しいモデルに、同じ画面で続けて投げられます。
この段でやらないことが1つあります。新しいモデルに合わせて指示文を直しながら試すことです。直してしまうと、出た違いが指示文の差なのかモデルの差なのか、あとで分けられません。指示文には手を付けず、そろえた条件のまま、次は結果の違いを見ていきます。
手順2 比べる — 4つの違いを、点数ではなく事実で残す
見るのは、提供元が「変わる」と書いた点に絞ります。長さ(字数)、段落(いくつに分かれたか)、書式(太字や箇条書きが使われたか)、引用(元の資料の文がそのまま入っていないか)の4つです。評価の点数は付けません。「新しいほうが約200字長い」「箇条書きが地の文になった」のように、事実を1行で書きます。
読者の疑問
「どちらが良いかを決めなくていいのですか」
この段では決めません。仕事によって答えが分かれるからです。お客様宛のメールは短く分かれているほうが読みやすく、社内向けの要約は密なほうが助かります。ここで残すのは「違いがある」という記録だけで、どちらを使うかは次の手順で会社として決めます。
4つのうち、引用だけは扱いが別です。要約に元資料の文がそのまま混じったとき、その要約を社外へ出すなら、原文をそのまま載せてよいかを人が見る必要があります。新しいモデルでこの傾向が強まると提供元が書いている以上、要約の仕事では記録の欄に「原文がそのまま入ったか」を必ず立てます。3本ぶんの記録がそろったら、決める段に進みます。
手順3 決める — 切り替え日と戻し方を決めてから、指示文を直す
決めるのは3つです。切り替え日(全員が同じ日に移る)、決めた人の名前、戻し方。今まで使っていたモデルが一覧に残っている間は、選び直せば戻せます。いつまで残るかはサービスごとに違い、PromnyAI の公式サイトにも期限の記載はありません(2026年9月18日時点)。戻せる期限は、管理者が確かめて書いておきます。
手順1で取っておいた指示文の直しは、ここでやります。提供元の推奨が2つ公開されています。1つ目は、以前のモデル向けに入れていた「箇条書きを使うな」「太字を使うな」のような抑える文の扱いです。消すか、「手順を並べるときは箇条書きにする」のように使う場面を書いた文に置き換えます。新しいモデルはもともと書式を使う頻度が下がっているので、抑える文が残っていると必要な構造まで消えます。
2つ目は、文が密になるときに「飾った言い回しをやめて、まっすぐ書く」という趣旨の1行を指示文に足すことです。公式ドキュメントは英語の短い1行を示していますが、日本語で同じ意味の1行で構いません。
ここまでの記録を1枚の表にまとめると、欄は次の5つです。
- 試した日と、使った指示文の名前(共有テンプレの名前)
- 前のモデル名と、新しいモデル名
- 長さ・段落・書式・引用の4つの違い(1行ずつ)
- 切り替え日と、決めた人の名前
- 戻せる期限(今まで使っていたモデルが一覧に残る期限。管理者が確認する)
PromnyAI では、管理者が誰がどのAIをどれだけ使ったかを利用の記録で見られます。切り替え日の前後でその記録を見ると、まだ移っていない人が分かります。直した指示文は、指示文を保存して社内で使い回す機能(プロンプトライブラリ)のチーム共有に戻し、直したことをチームに一言伝えておきます。指示文そのものを、モデルが変わっても作り直さずに済む形にしておく話は、別の記事(モデルが変わっても使い回せる指示文の作り方)に書いています。
明日やる3つ
- 先週使った依頼を3種類選び、同じ指示文で新旧に投げる人と日を決める
- 手順3の5つの欄(試した日と指示文の名前・新旧のモデル名・4つの違い・切り替え日と決めた人・戻せる期限)で、記録の表を1枚作る
- 切り替え日を決める場を、試す日の翌週に入れておく。共有テンプレの「箇条書きを使うな」の類いの文は印だけ付け、直すのは比べたあとにする
一覧に新しい名前が増える日は、これからも来ます。そのたびに慌てないための道具は、高い評価の仕組みではなく、先週の依頼3本と記録の1枚です。
PromnyAIを試してみる
新しいモデルが出るたびに、誰がどれに切り替えたかが分からなくなっている段階でご覧ください。PromnyAI は主要なAIを1か所に並べ、一覧から切り替えて使え、誰がどのAIをどれだけ使ったかを管理者が利用の記録で見られるプラットフォームです。テンプレをチームで共有し、同じ指示文から始められます。
参考にした公式情報・関連ページ
- Anthropic:Introducing Claude Fable 5.1 and Claude Mythos 5.1(2026年9月1日)
- Claude Platform Docs:Claude Fable 5.1の新機能(動作の違い)
- Claude Platform Docs:Claude Fable 5.1 のプロンプティング(文章の密度・チャットでのフォーマット)
- PromnyAI:AI選び方ガイド
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